Something So Right

大洗在住のSEなおっさんが趣味の楽器いじりや模型製作、万年筆いじり、サイクリングその他について書いています。

万年筆のリペイント(1)

とあるところで万年筆ブームでペン先の供給が滞って~という書き込みがありまして、日本国内では100円のボールペンの方が全ての面で勝っていると言っていいくらいなのにブーム!?と思いました。

 

・・・が、海外では油性のボールペンが主流で、プラチナのプレピーをはじめとして安くてもまったく問題ない万年筆がたくさん売られてますから、売れないこともないんだろうなと。

 

少し脱線します。

 

私は”金ペンか鉄ペンか”で区別(差別)する風潮が嫌いです。高価な万年筆はペン先に金が使われていまして、14金、18金、24金などがあります。さらにその上からロジウムなどでコーティングされているものもあります。

 

安いものはステンレスが使われていて、たまに金メッキがされているものが「14金仕上げ」などと謳われて非常に紛らわしかったりします。だいたい”鉄ペン”と呼ばれているのですが、鉄とステンレスは違うんですよね。どうもバカにしているようなイメージがあって私は嫌です。

 

確かに金ペンは柔らかいですよ。でも、金ペンらしさが堪能できるのは無駄に装飾が入っていなかった古い時代のもので、今作られているものを調整した上でブラインドテストをしたら、金とステンレスの区別がつく人はほとんどいないでしょう。それくらい差はないと個人的には考えています。去年、100本以上買って書きまくってみて得た感想です。はい。

 

脱線終了。

 

プラチナのプレピーやパイロットのペン習字ペンを使うようになって、ちょっと見た目が気に入らないというか、物足りなく感じるようになりました。ペン先を削ったり、アイドロッパー化するのは浅はか(フォルカンがあの形なのは根拠があるはずなので、フォルカンみたいにするには根拠が必要と考えます)な気がして、たどり着いたのはリペイント。

 

模型製作でエアブラシは使ってますし、塗料その他も余るほどあります。いつか本格的に自作をするときにも役に立ちます。

 

というわけで、パイロットのペン習字ペンが生贄になります。真ん中の白いテープはアイドロッパー化を試みたときに使ったシールテープです。

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キャップとその他の部分の2回に分けて塗装をするので、まずキャップにマスキングテープを貼って

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クリップで挟みます。マスキングテープを貼るのは塗料がかからないようにするのと、クリップで傷がつくのを防ぐためです。

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こんな感じで塗っていきます。

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まずは下地から、ということでクレオスのMr.フィニッシング サーフェイサー1500 ブラック スプレーを吹きました。手袋必須です。(笑)

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仕上げにこだわるならエアブラシとコンプレッサーを使いましょう。缶スプレーを使うなら外気温が20度以上あるときに40度くらいのお湯に缶を漬ければ割ときれいに吹けます。

 

同時進行でペリカンのツイストセーラーのハイエースネオもリペイントしていきます。こちらはグレーのサーフェイサーを吹いた後に

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黒を吹いてます。乾燥は基本的に1週間はかけています。完全に乾燥させてから次の工程に移るのが非常に非常に大事です。

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ツイストは横にロゴがあります。この部分はシタデルカラーで仕上げたいですね。

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胴軸の後端にはペリカンのマークが。ここも一手間加えたいところです。

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すぐに気が変わる性格なので確定はしていませんが、ペン習字ペンはラップ塗装で、ツイストとハイエースネオは偏光塗料で仕上げるつもりでいます。

 

実は既に仕上がっているのもあったりします。ファーバーカステル伯爵コレクションのペルナンブコを漆で仕上げたものです。

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万年筆としては高い部類に入るので勇気が入りました。^^; これをやったのは、知人のレスポールを黒でリフィニッシュする話が現在進行中で、どうせなら漆を使おうと無謀な思いつきをして、手近(?)なもので試した次第です。

 

金属部分をマスキングして、木の部分を240番のペーパーでサンディングした後、

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漆で仕上げます。文字で書くとたった短いですが、お勧めはしません。今まで試した塗装の中で一番難しかったです。ちなみに私は摺り漆技法をアレンジして仕上げました。目止めを省いてるだけですけど。

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刷毛は人毛ののもを使いました。カシューや漆は人毛の刷毛を使うみたいです。これが目からウロコが落ちる便利さで感激しました。・・・一度失敗してやり直した後だっただけに。(笑)

 

多分、漆仕上げのペルナンブコは世界でこれだけ・・・なはず。

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リペイントすると愛着も湧いて、無駄に本数が増殖する沼にハマることもなくなるかもよ?・・・というお話でした。

 

ほなほな。