7/28は台風で柏祭りは開催中止、東京都内は暴風警報が発令されて雨風が半端なかったので店内でのライブは欠席して家でおとなしくしていました。
というわけ?で、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第一章嚆矢篇を見直してみました。ネタバレ全開で感想を書いていきます。
・ガトランティスのテレザート攻略
いきなりズォーダー大帝のナレーションで幕を開けます。
「無限に広がる大宇宙。静寂な光に満ちた世界。死んでゆく星もあれば生まれてくる星もある。宇宙は生きているのだ。だから、愛が必要だ」
ちょっと意味不明です。宇宙は生きているから愛が必要?
ガトランティスの軍勢による虐殺シーンの後、大帝が語ります。
「虚しい。実に虚しい。彼らの命に何の意味があったのか。やはり愛が必要なのだ。この宇宙から根こそぎ苦痛をぬぐい去る愛が必要なのだ。そう思わんか、テレサ」
一方的に苦痛を与える側が「苦痛をぬぐい去る愛が必要」というのは。(笑)
・浮遊大陸での戦い
ガミラスの浮遊大陸を占拠したガトランティス軍と、ガミラスと地球の混成軍が戦います。古代は金剛型宇宙戦艦「ゆうなぎ」に乗っています。クルーはヤマトにいた面々。
ガミラス側はいわゆるガミラス艦多数と・・・前面に板がついたゼルグート級。変な模様が全面に入ってます。モデラー泣かせですね。後から知った情報によるとこの板はワープを不可能にする機能があり、そのために地球艦隊は離れた場所にワープアウトして合流したんだとか。
・・・なら何で火炎直撃砲の転送(ワープ)機能は使えるのか。板以外の部分も波動防壁で守れる描写とかあればいいのに。あと、何でガミラス艦は盾艦と並んでいるのか。艦の配置や艦隊運動の部分でおかしな部分が多々あります。
銀英伝で指向性ゼッフル粒子を散布する艦が出てきましたが、波動防壁の展開に特化した艦を出せばいいんですよ。そもそも、2199で対処法が確立されているのに、それをなかったことにするのは続編を名乗る意味がなくなります。
あと気になったのは艦載機みたいな「ゆうなぎ」の動き。異常に強いです。乱戦になっているのかいないのかがよくわかりません。そして、ガトランティス軍の突然の180度回頭。背を向けた敵をなぜ攻撃しないのか。
ガトランティスが後退する中、十字架型の岩が登場。崩れた中からカラクルム級が出現。乗組員が乗り組んだ後に岩をくっつけたのでしょうか。突入するガミラス艦隊は一撃で全滅させられます。拡散波動砲並みの攻撃力ですね。
司令部では何故か更迭されていない芹沢のおっさんがプランAを進言。オペレータ席に森雪がいるのはいいとして、技術科の桐生美影がいるのは謎でした。
・アンドロメダ登場とカラクルム級特攻
アンドロメダ。ヤマトファンからの人気が非常に高い艦です。いきなり波動砲をぶっ放してガトランティスの艦隊は全滅。・・・なんとも大味な展開です。敵味方の位置関係や動きの描写がないからどんな規模の戦いなのかとかが分かりづらく、お互いにでかいのをぶっ放すだけに見えるんですよね。
何故か最前線に単独で突っ込むアンドロメダ。損傷した?艦艇が地球にワープすると、死んだふりをしていたカラクルム級も追っかけます。アンドロメダは主砲で攻撃するもダメージはほとんどなし。
ワープアウトした損傷艦艇を吹き飛ばして、カラクルム級は質量爆弾になって司令部を目指します。地球の場所を把握していなかったのに司令部の場所を正確に把握していたのは通信を傍受したからと解釈するとしても、地球の防衛戦力がほとんどないというのはおかしいでしょう。全兵力を浮遊大陸に割いていた? そもそも、浮遊大陸にどんな価値があったのか。浮遊大陸の位置はどこなのか。そのあたりの説明は一切なし。
カラクルム級を追ってワープした「ゆうなぎ」が攻撃したり下から押したりしているとき、真田さんから司令部経由で連絡がきます。そして改装中のヤマトが主砲を発射してカラクルム級は爆散します。・・・ヤマトの主砲はどんだけ強いのよ。(笑)
・アンドロメダの進宙式
大気圏突入中に爆散したカラクルム級の乗組員は1人だけ生きていて、研究施設で自爆。旧ヤマトクルーの新見は何とか生存。
旧作ではアンドロメダ単独のお披露目式だったのが、2202では2〜5番艦のお披露目式になってます。どう見ても船体がかすりそうな急カーブをのぼってワープしていきます。その中、ガミラスの大使がガトランティス兵の自爆機能を伝え、捕虜にしたことを伝えなかったことを軽く責めます。逆に自爆機能を伝えていなかったことを責め返す・・・この3年間、ガトランティスと一度も戦っていなかったのでしょうか。捕虜にする機会なんていくらでもありそうな気がするのですが。
続いて、恩人であるイスカンダルを裏切って波動砲艦隊を作ったことを責める大使。それに対して、沖田艦長が勝手に口約束しただけ・・・って、悪役じゃねーか。(笑) ガミラスにはユリーシャ・イスカンダルがいるんだから、同盟決裂してもおかしくないレベルですよ。
式典後、大使が部下に「ヤマトの乗組員たちがテレサの声を聴いていた可能性がある」と言います。ヤマトが主砲を発射した後に古代が沖田艦長の幻を見たことを指すのでしょう。この後、ガトランティス側もそれを察知している描写があります。このあたりの説明はもう少し丁寧にしてほしかったです。
地球の人口が往時の1/3という説明が出てきますが、その設定はどう活かされるのやら。
・酒盛り→月
古代は勝手な行動をしたからか、呼び出しをくらってます。裁判とかではなさそう。その後の古代と雪のいちゃいちゃは・・・どうでもいいや。雪役の声優さんの出番があってめでたしめでたし。
酒盛りのシーンは旧作とほぼ同じ。雪以外のヤマトクルーは全員、幻を見ていて、そのとき太陽系全域で通信障害が起きていたんだとか。テレサすげぇ。それがテレサの仕業でヤマトクルーに伝わったと考えるガミラス大使もすげぇ。
軍拡に力を入れて波動砲も復活させた政府にクルーは不満を抱き、旧作と同じくアンドロメダに「バッキャロー」。・・・波動砲の作り方とか波動コアの作り方とか、どうやって政府は知ったのでしょう。ヤマトからデータを回収したとか?
その数日後、古代と島は真田さんに呼び出されて彗星が地球に近づいていること、その方向から幻を見せたエネルギー波がきたことを伝えます。古代と真田さんは助けに行く気満々で島が渋るのは旧作通り。島は軍を退役している模様。
旧防衛司令部を訪れた古代に大使の部下が接触。ヤマトクルーは諜報部員に監視されているんだとか。不満分子扱いされてるでしょうからね。旧作では全員左遷みたいな展開がありました。不穏な動きをしたらどうするつもりだったのやら。
大使の部下、キーマンから月の大使館に誘われた古代は輸送船?を利用して月に向かいます。火事が起きて荷物をパージ→小型機で月へ〜という流れは非常に良いです。途中、防衛用の兵器に襲われるも山本に助けられます。山本が乗るのは火星の兵器の流れを組むコスモタイガー1なんですが、デザインが古いシューティングゲームに出てきそうな感じでヤマトの世界にはまったく合いません。飛行機というよりはグライダーみたいな印象です。異文化の兵器を採用って、メンテとか運用はどうするのやら。
その頃。ガトランティス側はテレサのメッセージが向かった先が地球と知って、地球への進撃を開始します。嚆矢篇はこれにて終了。
全体的な印象としては2022は2199の続編ではあっても、旧作へのアプローチの仕方が異なります。2199は旧作の矛盾点を解決しようとしていたのに対して、2022は矛盾点はそのままにするというか、リアリティは重視していないように感じられます。描きたいものが決まっていて、それを適当に結び合わせた〜みたいな。緻密さがないのが残念です。
良かった部分は古代が月に行くくだりの部分・・・のみ。
悪かった部分は・・・
- 艦隊運動や艦隊戦の描写が雑。密集しすぎ。
- 変な模様入りのゼルグート級に変な盾がついている。
- ワープが無効化されるのに転送される火炎直撃砲。
- やぶれかぶれになっているとはいえ古代の戦い方はない。
→地球にフィアンセがいるのに。 - 「ゆうなぎ」無双。
- 戦場で180度回頭しても攻撃されないガトランティス軍。
- 岩から出現するカラクルム級。
- ぜんぜん効かないアンドロメダの主砲。
- ノーガードすぎる地球。
- ヤマトの主砲が強すぎる。
- 空母型アンドロメダがかっこわるい。
- コスモタイガー1のデザインがヤマトの世界に合わない。
- ガトランティスの設定が2199を踏襲していなさすぎる。
- 波動コアを量産できるようになった理由の説明がない。
- 波動砲を量産できるようになった理由の説明がない。
ってなところでしょうか。
アンドロメダがたくさん出るのは悪くないです。土方と山南以外に指揮官が生き残っているのか?という疑問はありますけどね。2199の頃は揃って入院してたとか? ただし、空母型はいけません。空母の構造や運用を考えたとき、あの形はありえません。ハンガーや武器弾薬、燃料の格納庫は? コスモタイガー1の形と同じく、リアリティが欠落してます。
そうそう、人口が往時の半分に満たないことが少ない乗組員で運用できるアンドロメダが生まれた理由の一つとして、何で乗組員が多く必要なヤマトを改修したんですかね?
また、ガミラス側の体制もどうなっているのやら。ユリーシャがガミラス本星にいて、地球が波動砲艦隊を作っていることを知ったら許容しないと思うのですが。
気力が続く限り、感想の続きは書くつもりです。。。
ほなほな・・・