ATLANSIAの林信秋さんも75歳になるんだよな~。存命のうちに1本欲しいな~。・・・とか思っていたら、イケベに中古のStealthが入荷したと聞き、即購入してしまいました。
こちらは90年代後半に発売されていたATLANSIAの廉価版、Greco by ATLANSIAのStealth Jr.です。中古でも15万くらいで売られているみたいです。
本家も廉価版もめったに見かけません。ATLANSIAを知って30年くらい経ちますが、実物は一度も見たことがありません。廉価版の実物を見るのはこれが初めてです。
ヘッド。材を無駄にしないためにこのデザインになったんだとか。ナットもオリジナルで弦ごとに高さを調整できます。
ヘッドにはGreco by ATLANSIAのロゴが。
調べたところ、グレコが製造していたわけではなく、販売代理店契約をしていたのだとか。
ペグは落とし込み加工?がしてあります。また、独特な形のストリングガイドがついてます。本家はブラス製だったかな?
ヘッド裏。
指板のRはややきつめです。
丸太と呼ばれるネックは廉価版だからか、そこまで太くはないです。
フィンガーレストいらずなデザイン。
ピックアップはATLANSIAオリジナルのJタイプが載ってます。丸いやつは調整が難しいみたいです。2弦と3弦の出力が弱くなることはありません。
ブリッジもATLANSIAオリジナルです。最近はこの手のブリッジは珍しくありませんね。
コントール部分。右からボリューム、ベース、トレブル、バランサーとなっています。ジャックもATLANSIAオリジナルです。
ネックはブッシュマウントになってます。ネックの角度がそのままではいまいちなのでシムを挟みました。
コントロール裏のパネルは長方形です。上の丸い部分はバッテリーを入れる部分でスポンジで蓋がしてあります。簡単に外れるのでアクリルの蓋をNaked Guitar Worksで作ってもらいました。
コントロール部分の中身。蓋にプリアンプがつけてありました。
+ドライバーでゲインの調整ができます。1弦の音が割れないぎりぎりの状態を探したら、けっこう低めになりました。
ATLANSIAはオリジナリティの塊のような奇抜なデザインが特徴ですが、私は公式サイトを見て林さんの楽器や木材に対する考え方に心服するようになりました。派手な杢目の材を使わず、派手な装飾もしない楽器が好きになったのは林さんの影響です。
実際に弾いてみて感じたのは、奇抜なようで弾きやすさ、メンテや調整のしやすさが考えられているということです。音の方はボディが小ぶりな割に太くて低音がよく出ます。他のベースの出番がなくなる気がします。
楽器業界は妙に保守的で、有名なアーティストが使ったモデルと同じものが高額で取引されたり、ベースはFenderの模倣品であふれています。ATLANSIAは取り組み方からしてもっと評価されてもいいと思うのですが、気軽に手を出せる金額ではないのは事実。しかし、廉価版は木材の枯渇に警笛を鳴らし続けている林さんの意には沿わないんだろうなぁ。
想像していたよりはるかに完成度が高かったStealth Jr.。今後、手を入れるとするなら、コントロール部分の並びを変えて、ボディの傷が目立つのでリフィニッシュをするくらいですかね。あとはストラップピンをロックタイプに交換するくらいか。
機会があれば同じのをもう1本手に入れて、フレットレスにしたいです。本家も含めて、また遭遇する機会に恵まれるかどうかはかなり微妙ではありますが・・・
ほなほな。