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大洗在住のSEなおっさんが趣味の楽器いじりや模型製作、万年筆いじり、サイクリングその他について書いています。

宇宙戦艦ヤマト2202第五章煉獄篇 ネタバレあり感想

宇宙戦艦ヤマト2202第五章煉獄篇が公開されたので、Amazonで買って観てみました。

 

 

前作の2199はアホ毛キャラが嫌だったり、女性キャラのサービスシーン?が嫌だったり、デスラーの描かれ方が嫌だったりしたものの、全体的には劇場版も含めて好きな作品でした。劇場版も良かったです。

 

2202はスタッフが刷新されて、どうなるかと思っていたら・・・私としては駄目ですね。

 

新しいスタッフは2199が嫌いなのか?

2199で新たに加わったキャラクターはほぼほぼ冷遇されているというか、主役も目立っていないような。2199で最新鋭だったはずの艦艇が旧型になったり、敵であるガトランティスの設定が変わっていて無駄に矛盾が生じています。2202では自爆するクローン兵士みたいになっていて、2199に出てきた捕虜や劇場版に出てきた蛮族出身のダガームは何だったのかと。あと、あれほどの軍事力があるならガミラスなんてすぐ滅んでましたよね。(笑) ガミラスの艦隊を一撃で全滅させる巨大戦艦が250万隻も出てくるんですから。

 

劇場版で火炎直撃砲をある程度かわせるようになっていたのに、密集隊形を組んでボコボコにされて対処方法が艦船の前に壁を置くってのも・・・はっきり言ってバカでしょう。作品よりスタッフのエゴを優先するなら他でやれと言いたいです。

 

尺の取り方や演出に違和感

エピソードの時間配分と演出がおかしくて、ヤマトの旅の全貌などがわかりづらいです。テレザートとの距離感がわかりづらいですし、白色彗星と地球の決戦の始まりが唐突すぎたり。白色彗星が自在にワープできるのも良くないです。宇宙ホタルのエピソードの時点で観るのが辛くなりました。時間の流れもよくわからないです。

 

あと、航空隊が活躍しなさすぎ。模型化が無理そうなコスモタイガー1と宇宙の戦士に出てきそうなパワードスーツばかりが目立っているというか、あれはどこに格納するんでしょうかね。別にパワードスーツが出るのは構わないんですけど、航空隊の存在意義がなくなるだろうと。敵の艦船や艦載機と互角に戦うんですから。2199と比べると、人物やメカニックの描かれ方のバランスが非常に悪く感じられます。

 

時間断層は良い

前作で地球を元に戻した副作用でできた時間断層のアイデアは良いと思います。短い期間であれだけ復興するのはおかしかったですから。ただし、数百万隻動員できる敵に数で圧倒しようと考えられるくらい大量生産できるのはどうなんですかね。乗組員はどうするんだと。

 

今回の艦隊戦もそうなんですが、演出が単調すぎるので派手にドンパチをしたり波動砲を撃ちまくっても退屈で大味です。昔のCGアニメみたいな動きで、銀河英雄伝説OVAを口直しに観たくなりました。

 

デスラーの描かれ方は良い

この部分に関しては2199よりはるかに良いです。中二病をこじらせた変人でしかなかったデスラーがやっとまともな好敵手になりそうな。なぜヤマトと戦うのかの動機づけも良くできていて今後が楽しみです。無限増殖する巨大ミサイルを撃つくらいしかしていないのが不安要素ではありますが。

 

だがしかしで、ガミラスの本星が滅びる運命にあって、本星以外では純粋なガミラス人は生き延びられないとなると、地球人とガミラス人が共存していた第十一番惑星はなんだったんだという話になります。地球にもガミラス人来てましたよね。設定が適当すぎませんか?

 

敵のボスの小物感が半端ない

巫女ことサーベラーのコピーを第十一番惑星に送り込んだり、古代と直々に話したり、やたら愛が~愛が~と言ったり、地球の大艦隊を踏み潰そうとしたり、豪放磊落なんだか中二病をこじらせているのか、そもそも何をやろうとしているのかよくわからんですね。小細工を弄するのはゲームだからだそうです。Twitterエゴサーチをするように宇宙全体で面白そうな人類を探してるんでしょうか。蘇生体が見聞きしたものがわかるって、頭パンクしませんかね。(笑)

 

煉獄編の感想を書いていきます。

 

前半はデスラーの過去とキーマンの正体、キーマンの裏切りと早々の復帰が描かれました。親衛隊の悪い奴が実は生きていた(乗艦が爆発していたのに)り、ヒスが出てきたのはまぁ、悪くはなかったです。他のガミラスの面々が出てこないのは2199で新しく出てきたからなのか。まぁ、出てきても酷い扱いしかされないんだろなぁ。

 

後半はいきなり決戦です。白サーベラーが復活するまで白色彗星は止まっていたのでしょう。止まっている間に攻撃すりゃいいのに。

 

ヤマトに乗れなかった面々が意味ありげな新キャラと一緒に出てきて、あまりの唐突さに違和感を感じました。唐突といえば、ささきいさおさんが声優を務めたアポロノームの艦長。出てきていきなり死んで、アンドロメダの艦長との関係もよくわからないままでした。アンドロメダ艦長の山南の同期で親友なんだそうです。

 

銀河英雄伝のウランフみたいにそれなりに出番があった末に死ぬなら印象に残るんでしょうけど、このあたりも演出の拙さが感じられるというか、自己満足のために作品を作っているとしか思えません。やたら愛という言葉を使う割に、スタッフの作品への愛が感じられないという。今回の女艦長にしても、第一章から出しておけば良かったのにと感じたのは私だけではないでしょう。

 

艦隊戦は上に書いたように、物量対物量の戦略も戦術もあったもんじゃない内容で、250万隻の巨大戦艦を観たときの失望よもう一度ってな感じでした。旧型艦まで波動砲撃っちゃって、大安売りもいいところ。第一章で波動砲に耐えた巨大戦艦が簡単に落ちてますし。あれだけ大量の波動砲でびくともしない白色彗星にヤマトが対抗する手段としてトランジット波動砲なんてものが出てきます。復活編の要素がいきなり出てきましたね。

 

ラスト5分で何が起きるのかと思ったら、病気の子供を救うために加藤が裏切るという。。。

 

黒サーベラーこと桂木は何もないのに薬を作ったり、コスモタイガーにメッセージを送ったり、独房内の換気口?を操作したり、めちゃくちゃですね。薬のデータは転送できたとしても、地球を滅ぼす気満々の敵が月だけ見逃すはずもなく、意味不明です。子供の状態が良くないことをどうやって知ったのかも謎。嫁さんがメールでバカ正直に伝えたとか?

 

彗星の中身は・・・旧作は下半分が惑星で上に都市がついていたのが、惑星を抱えたタコみたいになってました。しかも土星よりでかいという。惑星を囲ってどうなるのかとか、謎はいろいろありますが、超巨大戦艦の出番はありそうですね。

 

次章の予告では何かと評判(笑)のヤマト級2番艦の「銀河」が出ていました。2520に出てきたヤマトとミックスしたようなデザインで、ヤマトの乗組員が乗り移るのか、謎の戦艦の艦長が乗るのか。。。デザイン的に地球らしさもガミラスらしさもなく、中途半端ですね。今作はデザイナーが良くないです。変な模様入りの艦船とかコスモタイガー1とか。趣味に走りすぎ。ガミラス臣民の壁とかねぇ・・・

 

まだ6章と7章が残っているものの、通して観たときにどう感じるかを考えると、今までが今までなので凡作になるかどうか・・・ってな感じでしょうかね。いまいちなものを組み合わせても駄目なものは駄目。

 

小説とかパンフレットとかインタビューとかTwitterを見ないと補足できないっておかしいですよ。作品自体で成立するようにしないと。

 

アニメの世界も人材がいないのか、人材に機会が与えられないのか、違う意味で絶望感を感じさせられました。

 

ほなほな。