Something So Right

大洗在住のSEなおっさんが趣味の楽器いじりや模型製作、万年筆いじり、サイクリングその他について書いています。

ギターやベースのキットを作りたいなら

今回はギターやベースのキットを作りたいという方向けに書いてみます。

 

海外でも国内でも楽器のキットが売られています。大多数は中国産で欧米のショップで売られているものはAliExpressでも売られていたりするので要注意です。AliExpressで買った方が安いです。

 

まずは中国産キットの注意点を書いていきます。ちなみに6個ほど買っただけなので全てに当てはまるとは限りません。しかも完成させずにあきらめたものが半数くらいあったり。(汗)

 

中国産キットの注意点

1.箱がでかい。

巨大な発泡スチロールの板をパーツの形にくりぬいたものが使われているケースがほとんどでした。邪魔になりますし、発泡スチロールのクズが大量に出て処理に困りました。

2.ディティールは適当

一見、既存のメーカーと同じように見えて細かい部分の計上は違います。ネックが異常に太かったり、指板からヘッドにかけてのラインが異なっていたり。

3.無駄に親切

ブリッジやペグを取り付けるネジ穴が最初から開いているものがありました。・・・が、位置が間違っていたりですべてやり直しました。

4.安いものは材が粗悪なケースも

一度、国内の業者経由で取り寄せたものは割れが激しかったです。おそらくシーズニングが適当なんでしょう。

5.パーツはしょぼい

ポットやブリッジ、ペグ、ピックアップはいわゆる安ギターに使われているものと同じか劣るレベルなので交換した方が良いです。

6.シーラーが塗られている場合がある

私はオイルフィニッシュ派なのですべて剥がしました。スプレーやガンで塗りたい人も全体をサンディングして平滑にする必要があります。

結論

練習用にとりあえず組んでみたいならいいかもしれません。ヘッドの整形は大変なので最初から整形されているものを選ぶのがおすすめです。ベルトサンダーやボール盤がないと綺麗に仕上げるのは厳しいです。

 

おすすめなパーツの選び方

1.ギターワークスでネックとボディを買う

付属のナットがネックに合わないことを除けば文句なしです。ペグ穴はクルーソンタイプのペグに合いますが要調整。そのまま塗装に入っていいくらい仕上げてあるのも良いです。キットもあります。ここのキットが一番おすすめですかね。

2.StewMacでネックとボディを買う

塗装済のも選べて、仕上げはなかなかです。ペグ穴はロトマチックに合います。発送してから届くまでが速いのも魅力です。オリジナルのピックアップもかなり評価が高いです。

3.ヤマ楽器でネックとボディを買う

若干、値段が高く感じられるものの、仕上げその他は素晴らしいの一言。一度だけネックとボディが合わないことがありましたが、調整可能な範囲でした。セミオーダーもたまに受け付けています。

4.Atlansiaでネックを買う

Faxと電子メールでしか注文できず、たまに2本頼んだのに1本しか届かなかったこともありましたが、かなり良いネックでした。ペグ穴はクルーソンタイプに合いますが要調整。そのまま塗装に入れる仕上がりです。保証期間も3年と長いです。塗装やある程度の仕様変更も受け付けてくれます。

5.アイチ木材でボディを買う

仕上げはかなり粗いのでサンディングは必須です。また、グレードが低い材で中が腐っていたことが一度だけありました。特に支障はありませんでしたけどね。タイミングが良いと1週間後に届いたりします。たまに珍しい材が入るので定期的にチェックしています。

6.パーツはどこで買うか

ギターワークス、StewMac、サウンドハウス、イケベ楽器から通販で買うか秋葉原千石電商御茶ノ水イシバシ楽器で買うことをおすすめします。

注意点としては、選んだパーツ(EMGとか)によってはキャビティを深くするなど加工が必要になります。ペグ穴の拡大はリーマーで何とかなりますが、ブリッジの取り付け穴などはボール盤が必須になります。

 

なお、Warmothなどは利用したことがないので省いています。いずれ利用するつもりではあります。・・・ボーナスが出たら。

7.おすすめのボディ材

ポリで塗装しないならバスウッドはお勧めしません。ポロウニアやアガチスもそうなんですが、非常に柔らかいです。ポロウニアなんて指で押して凹みますからね。アガチスも楽器として使っていいのかと不安になる柔らかさです。バスウッドはサンディングしたときの毛羽立ちが羽毛みたいで落とすのが面倒でした。

 

マホガニーも微妙です。楽器の世界では木目が似ていれば何でもマホガニーと呼ぶ傾向があり、アフリカンマホガニーですらホンジュラスマホガニーとは完全に別物です。よほど素性が確かでない限りネック材として選びたくありません。ヘッド部分で折れるのはたいていマホガニーですから。

 

コリーナはサンディングをするときはマスクが必須です。粉塵を吸い込むと腫れます。アイチ木材でたまに販売されるブビンガはアホみたいに重く、アッシュもけっこう重いときがあります。

 

というわけで、アルダーやライトアッシュが無難です。アルダーも最近は枯渇気味らしいですが。私は最近はライトアッシュ一択です。最近何本か買ってみて、アッシュより導管が浅めで何より軽いのでおすすめします。

 

難易度が高めな部分

1.ブリッジの位置決め

これをミスすると楽器として成り立たなくなります。きっちりやりましょう。覚えておいて損はしません。

2.フレットの整形

ネックをストレートにしてからマジックで印をつけてヤスリがけ。指板にマスキングをしてすべてのフレットを整形・・・とけっこう面倒なので自信がなければプロにお願いしていいかと。上で挙げたネックはやらないで済むこともあります。

3.ナットの整形

使うゲージやフレットの高さに合わせて調整する必要があります。私は何本も作る気はないのでプロにいつも任せています。

 

私流の塗装の仕方

といっても独自性はありません。

1.前提

シーラーは完全に落とします。シーラーを落とさないとうまく染料で着色できません。完全に落とせたかどうか判断するのは難しいです。私は少し水で湿らせたりしていますが、それが正解かどうかは微妙です。あまり濡らすとシーズニングした意味がなくなるような。。。

2.生地調整

前は400番までで止めていました。刷毛やガンで塗って木材の上に塗膜を作るならそれでいいでしょう。オイルで艶を出したいなら最低でも1000番まで使う必要があります。地味で根気がいる作業ですが、これをきっちりやると仕上がったときの満足度が違います。

3.染色

私がよく使うのはBRIWAXのWood-Dyeです。万年筆用の染料インク(顔料ではない)を適度に水で薄めて使うのもありです。数えきれないくらいの色数があります。塗るときはウェスやカシュー用の刷毛を使うのがお薦めですね。あまり染料を含ませず、最低限の塗料で染めていく感じです。

4.仕上げ

私の場合、使うのはウェスと600番と1000番のスポンジヤスリ、スチールウールと塗料です。塗料はアサヒペンのジェルカラーニスかXotic Oil Gel、TruOilのいずれかです。水性ウレタンニスなども使ったことがありますが、塗膜が柔らかいのと刷毛塗りが面倒なので使うのはやめました。

 

臭いはXotic Oil Gelが一番気になりません。艶を出したいならTru Oilがおすすめです。生地調整をしっかりやっていればジェルカラーニスでも割と艶は出ます。ただ、TruOilは国内で買うととても高いです。海外から直接取り寄せた方が良いです。

 

塗り方はウェスに少し出して薄く塗り伸ばしたらしっかり乾燥させて、スポンジヤスリやスチールウールで表面を磨いてからまた塗り伸ばして〜の繰り返しです。スチールウールの屑などはしっかり取りましょう。ポイントは厚塗りしないこととしっかり乾燥させることです。TruOilならとの粉で導管を埋めてクローズドポアフィニッシュで仕上げられます。(他ではやったことはありません。)

 

今後は頼まれているストラト、自分用のストラトを組んだらRobbie Robertson仕様のストラトを1本組んで、Warmothでショートスケールのベースネックとボディを買うつもりでいます。ひとまずはそれで打ち止めになる予定です。所詮は素人なので注文は引き受けません。

 

ほなほな。