ヤマトが惨憺たる状況になる中、2202のシリーズ構成と脚本を担当した福井氏がガンダムUCの続編の脚本を担当したガンダムNTが公開されたので新宿ピカデリーで観てきました。確か公開日の夜に観たんだったかな?
何故盛り上がったか?を考えると、第4部のジオン残党軍と連邦軍の戦闘が評価されていることで答えはわかります。はっきり言えば、脚本に関係ないところがウケたのでしょう。バイアラン・カスタムかっこいい!みたいな。つまり、手柄はメカ作監にある言っても過言ではないかと。
福井氏が脚本を担当したハーロックやヤマトを観てきて強く言いたいのは、小説家は脚本家の上位職ではないということ。どっちが難しいとかいう話ではなく、求められる特性が違うと考えます。
というわけで、ガンダムUCはストーリー的には駄作と考えてます。モビルスーツが好きだとか戦闘シーンがあればOKって方には楽しめるでしょうがね。
さてさて、肝心のガンダムNTですが・・・
メカの設定がいまいち
主役が乗るナラティブガンダムが3ヶ月で無理やり完成させた試作機であるνガンダムの試作機だとか、シナンジュ・スタインが実は2機あったとか、ネオジオングも2機あったとか、メーカーの思惑ありきというか、なんというか。(笑) 不健全ですな。
もっとも、0080も0083も似たようなもので、ガンダムの世界ではよくあることではあります。
ネオジオングの、建造できるけど動く理屈がわからないという謎設定は笑ってしまいました。
アムロ以外乗りこなせないディジェをルオ商会が戦力として保有ってのもなぁ。
ニュータイプとは
アースノイドのリタがニュータイプとして覚醒って、旧作ファンは抵抗あるだろなぁ。コロニーの落下を予知して住民は助けられたけど家族は全滅ってのはご都合主義ですな。2202みたいなご都合主義。
フェネクスにパイロットの意識が乗り移って、補給もなしで数年間稼働するとかねぇ。オカルトにもほどがあるでしょう。
個人的には、富野監督のそれではない、福井氏独自の解釈が公式になることに抵抗感を感じます。宇宙世紀をこれ以上汚してほしくないです。やるならOOみたいにオリジナルでやるべき。
作画が酷い
UCに出てきたキャラクターが何人か出てきて、全員「誰だお前は?」状態なのは笑えました。マーサなんてただのおばさんでしたし。
短期間で突貫で作って公開しなきゃならん事情があったのかな?
ストーリー的には
サイコフレームは人の手に余るから封印しなきゃいかんねって話。UCの続編をやる気らしいですねぇ。
NT自体のストーリーは、UCと同様、戦闘シーン集でもあればファンは喜ぶんじゃね?という印象。つまり、たいしたことはない。ある意味、ガンダムシリーズの不幸を感じさせます。
全体的には
良く言えばスピード感がある、と言えるかもしれません。しかし、全体の構成や演出に緻密さや丁寧さはなく、リタとの回想シーンの繰り返しは時間稼ぎなのか?と感じます。
キャラクター紹介にシェザール隊の面々が載っているのに隊長と副隊長以外はモブなのは笑いました。リタとジオン軍のねーちゃんは良いキャラでしたけど、他は(ry
結局、福井氏の手にかかると主人公はウジウジ、ごく少数以外のキャラはモブになるのかなと。あと、説明がくどい割に下手。話がやたら長いのに何を言いたいのかわからん人、みたいなね。
結論としては、非公式の外伝的というかスピンオフな作品なら許せなくもないレベル、本編の延長に置くのはサイコフレーム並みに危険・・・ってなとこですかね。
観終わった後はあれこれ考えたのに、一ヶ月過ぎたらほとんど戦闘シーン以外記憶に残っていないという。(笑)
たまには何かを褒める文章を書きたいもんだ。
ほなほな。