というわけ?で、前回に引き続いて私が敬愛するPaul Simonのソロアルバムの紹介というか雑文を書いていきます。
今回はPaul Simonとして初のソロアルバム・・・なはずの”The Paul Simon Songbook”です。
1964年に発売されたSimon & Garfunkelのデビューアルバムが失敗に終わってArtは大学に戻り、Paulはヨーロッパに渡ってソロで音楽活動を続けました。S&Gでデビューする前にPaulはイギリスで活躍していたので、戻った形になるんですかね。
そこでJudith Piepeという女性がPaulのファンになり、BBCラジオの宗教番組でPaulの曲を流し、CBSを説き伏せてSongbookを作ることになります。
収録曲は以下の通り。
- I Am a Rock
- Leaves That Are Green
- A Church Is Burning
- April Come She Will
- The Sound of Silence
- A Most Peculiar Man
- He Was My Brother
- Kathy's Song
- The Side of a Hill
- A Simple Desultory Philippic
- Flowers Never Bend with the Rainfall
- Patterns
3と9以外はすべて後のS&Gのアルバムで使われ、3はライブでは披露されてます。9は歌詞の一部が”Scarborough Fair”に使われています。
Paulがギターを弾きながら歌うのを1本のマイクで録音したという、シンプル極まりないこのアルバムは、Paulの意思で長らく廃盤になっていました。2004年までCDを手に入れることができず、私はたまたまラジオで流れた一部の曲をカセット(古)に録音して繰り返し繰り返し聴いていました。
S&Gファン、Artのファンは怒るかもしれませんが、私はS&G版よりこちらのテイクの方が好きです。曲(歌詞)が持つ力がより生々しく、パンチ力があります。限られた時間でマイク1本で録音という今ではアマチュアでもやらなそうな環境で作られたからか、S&Gが失敗したからか、Paulの覚悟の強さが感じられます。
S&Gの代表曲の一つである”The Sound of Silence”も、個人的にはS&G版はずっと好きになれず、ラジオでこのテイクを聴いて初めてこの曲が好きになりました。”I Am a Rock”もこっちのほうがはるかに良いです。
The Sound Of Silence, Paul Simon Songbook 1965
I Am A Rock, Paul Simon Songbook 1965
おそらく、Paulはこのアルバムに収められた曲のほとんどを、Artと歌うことは考えずに書いたのでは?と妄想しています。やる気があるならArtは大学に戻らずPaulと一緒にイギリスに行ったでしょうからね。2人の音楽への熱の違いと差がS&Gのバランスの歪さと別離を招いたんでしょうね。
このアルバムは、S&Gファンではなく、ギターの弾き語りが好きな人に聴いてほしいですね。私は若かりし頃にカセットに録音した音源を聴いて練習しました。私にとっては教科書みたいなものです。
次は1972年、私が生まれた年に発売された”Paul Simon”について雑文を書く予定です。
ほなほな。