前回に引き続いて、Paul Simonのソロアルバムについてつらつらと書いていきます。
今回取り上げるのは、Simon & Garfunkel解散後にPaulが出したソロアルバムになります。
Simon & Garfunkelは”Bridge Over Troubled Water”が大成功を収めたものの、Paulはデュオを続ける気はなくなっていたようです。
S&G最後のアルバムの制作はArtが映画の撮影に追われたためにPaulだけで進められ、Artが俳優としてスターになったら音楽を捨てるのではという疑念、タイトル曲を評価しなかったくせにステージで大喝采を浴びたらそれを独り占めしたこと、Paulの奥さんからArtから離れたら?と勧められたこと、何より、PaulにとってS&Gが音楽活動の幅を広げる妨げになっていたことが解散の理由だったようです。
※詳しく知りたい人は自伝を読みましょう。
作詞作曲ができず、楽器も弾けないArtは未だに解散を決めたPaulを非難していますが、まぁ、S&Gで活動すれば稼げますからね。解散後に積み上げた実績の差を考えても本音はそこだろうと思います。
2003年になってから始まったS&Gとしてのツアーも、結局はArtが喉の不調を軽く見たせいでろくに歌えなくなって途中でキャンセル、Paulに完全に見切られるというしょうもない結末を迎えてました。
S&Gの呪縛から開放されるべくPaulが世に出したアルバムの話に戻しましょう。収められている曲は以下の通り。青字は私のおすすめの曲です。
- Mother and Child Reunion
- Duncan
- Everything Put Together Falls Apart
- Run That Body Down
- Armistice Day
- Me and Julio Down by the Schoolyard
- Peace Like a River
- Papa Hobo
- Hobo's Blues (Paul Simon, Stéphane Grappelli)
- Paranoia Blues
- Congratulations
ちなみに私はUSA For AfricaでPaulに惹かれて、親に買ってもらったS&Gのアルバムを経てこのアルバムを聴きました。当時12歳か13歳だったかな?
完全完璧なレゲエの1、フォルクローレとフォークのミックスな2、ブラジルの打楽器が印象的な6、超絶にギターがかっこいい7、Stefan Grossmanのスライド・ギターが印象的な10、ゴスペルっぽい11が個人的には特に好きです。特に1はソロとしてのキャリアの始まりの曲としては最高にインパクトがあります。
なんだろう、Songbookにあった野心、エネルギーに加えて開放感?みたいなものがこのアルバムからは感じられます。
フォルクローレにせよレゲエにせよS&G時代にあまりうまくいかなかった取り組みが、このアルバムでは違和感ない出来になっていることも注目すべきポイントでしょうね。有名な「コンドルは飛んでいく」は既存の音源に歌を入れただけでしたし、”Why Don't You Write Me ”もレゲエとしては中途半端でした。
もともと作詞家として評価が高いPaulですが、このアルバムでは同世代に向けた大人向けの詩を書きつつ、韻を踏む遊び的な要素やビートとのマッチングも楽しめる・・・とおっさんになってから気づきました。
このアルバムは全米で4位、日本やイギリスなどでは1位になったので、幸先の良いリスタートになったと言えるでしょう。Paulのギターが好きな私にとってはギターが楽しめるので良いアルバムです。
残り10枚もこんな感じで紹介?していきます。
ほなほな。