緊急事態宣言の解除、意味がよくわからなかった東京アラートの解除と、徐々に日常が戻りつつありますが、東京は相変わらず感染者が2桁出てますね。本当に、東京アラートって何だったのやら。
さて、今回は1975年に発表された"Still Crazy After All These Years"の紹介になります。
このアルバムは高校に入ってすぐの頃、まずレコードで買いました。・・・プレーヤーを持ってなかったのに。(笑) ちなみにS&Gのアルバムはカセットで揃えました。
確か、私にHR/HMを教えた友達の家で聴かせてもらい、趣味の相違を痛感させられたんだったかなぁ。今から30年以上も前の話です。当時は貸しレコード屋の終焉の時期で、1枚500円くらいで投げ売りされていたのを何枚も買いました。
収録曲は以下の通り。私の好きな曲は赤字のやつです。
- Still Crazy After All These Years
- My Little Town
- I Do It For Your Love
- 50 Ways to Leave Your Lover
- Night Game
- Gone at Last
- Some Folks' Lives Roll Easy
- Have a Good Time
- You're Kind
- Silent Eyes
前作まではPaulのギターが聴きどころの一つだったのですが、このアルバムではほとんど目立ちません。コード進行もいわゆるフォークをやる人が使わなそうなものが多いです。
今までレゲエやフォルクローレ、ゴスペルといった異なるジャンルとのコラボが目立っていたのが、今作ではそれも目立たず、Jazz系の凄腕を集めたからか、洗練された音作りがされています。
ドラムのSteve Gadd、ピアノのRichard Tee、サックスのMichael Breckerなど、ツアーにも長らく同行するメンバーもこのアルバムから参加しています。
Paulにとってはこのアルバムでグラミー賞の最優秀アルバム賞と男性ポップ・ボーカル部門の2部門を受賞したので、ソロとしても大成功したと言えますかね。
このアルバムで個人的に好きなのは6の”Gone at Last”です。Richard Teeの躍動感あふれるピアノがとにかくとてつもなく素晴らしい! パンチの効いたPhoebe Snowのボーカルも良いです。後から発売されたリマスター盤にはこの曲のデモ版が入っていて、それはそれでぜんぜん曲調が違っていて面白いです。
7の"Some Folks' Lives Roll Easy"は書いた本人が地味と認める曲ですが、私は最初に聴いたときから好きです。
Paul Simon - Some Folks' Lives Roll Easy
Paul本人によるアレンジ、曲中で半音ずつずれるコード進行など、音楽的にも興味深いんですけど、歌詞が「順調に人生を歩めるのはわずかな人で、大半は落ちるだけ」という成功者らしからぬ悲観的な内容で、好みです。
この人達のカバーも良いです。
このアルバムは”50 Ways to Leave Your Lover”がヒットして、久々にArt Garfunkelと組んだ”My Little Town”が話題になったそうで、そちらは私にはピンときません。
何故かスタジオ・アルバムには収録されなかった2曲の方が曲としてははるかに良いと言うか好みですね。
Paulの代表曲の一つと言える”Slip Slidin' Away”
Paul Simon - Slip slidin' away
アレンジがかっこいい"Stranded in a Limousine"。この曲が好きという人に一度しか会ったことがありません。(同年齢で誕生日が一日違い、ギタースタイルがそっくりという奇跡的な出会いでした)
このアルバムの後、ベスト盤(何枚出してるんだろう)を出してPaulはCBSを離れ、Warnerに移籍します。そして発表されたのは・・・Paulが脚本と主演を務めた映画。アルバムはその映画のサウンドトラックでした。
その話はまた次回に。
ほなほな。