ヤマトだけ観て帰るのはもったいない、というわけで「閃光のハサウェイ」を観てきました。
原作は初版を読んだ記憶があります。登場人物やMSの名前と結末を何となく覚えているレベルです。
原作の方は「逆襲のシャア」の小説版の一つ「ベルトーチカ・チルドレン」の続編で、そちらではクェス・パラヤはハサウェイに殺されていますが、劇場版ではチェーン・アギに殺され、ハサウェイはチェーンを殺しています。個人的には劇場版の展開は好きではないです。いろいろ理由をつけて味方殺しをした証拠が残っていないにせよ、ハサウェイが味方殺しをしたことを秘密にするのはいかがなものかと。
今回公開される劇場版「閃光のハサウェイ」は劇場版「逆襲のシャア」の続編になるわけで、クェス関連の描写がどうなるのかは見どころの一つになりますね。
そうそう、今回は福井晴敏氏が絡んでないんですよ。UCもNTも好きではなく、ヤマトやハーロックの惨状を知ってますから、安心して観られます。
あらすじは、地球を守るために全人類は宇宙に出るべき、というシャアと同じ理想を掲げたハサウェイが差別政策を行う官僚や議員(貴族化しているらしい)を粛清する~といったもの。
黒幕は連邦軍の将軍らしく、それで兵器を揃えたりできたようです。
あらすじの解説は端折るとして、良かったと思った部分を挙げていきます。
映像美が素晴らしい
後半の戦闘シーンが夜間の戦闘だからか暗くてよくわからん状態だったことを除けば、全体的に映像は凄かったです。ハサウェイ以外は新キャラということもありますが、「誰これ?」みたいな部分はなし。NTのマーサみたいなことはありません。ハサウェイがハサウェイに見えます。
市街戦の描写が凄い
初代でも巨大な薬莢が降ってくる描写があって斬新的でしたが、今作での市街戦の描写も凄かったです。MSは実際に存在しないのに、市街地で戦ったらこうなるのか、と現実感を感じさせる描写でした。
声優陣も良い仕事をしている
ハサウェイ役が今までと変わったそうです。声優にはほとんど興味がないので、特に問題は感じませんでした。ギギ役は声が幼すぎないか?と思ったものの、大人と子供が同居したような、良くも悪くも女を感じさせる演技で、とても良かったです。ガンダムのヒロインでこういうのいるよねって感じ。クェスに通じる部分も感じました。
ペーネロペーが怪鳥っぽい
ペーネロペーが飛ぶときの音が独特で、怪鳥っぽかったです。これは好き嫌いが分かれそう。惜しむらくは、ペーネロペーにしろ、クスィーにしろ今までと何が違うのかなど説明がなかったこと。今回はMSが登場したり戦うシーンで誤魔化す気はないようで、良い意味で抑えめというか控えめになっている印象を受けました。いいぞ、いいぞ。
脚本と演出のバランスが良い
ヤマトで言えば、「波動砲を撃たないとつまらない」みたいな人にはつまらなく感じるかもしれません。私が良いと感じたのは、ハウンゼンの乗客やダバオの住民の描写でした。たとえば、ハサウェイとタクシー乗務員との会話とか。「逆襲のシャア」終盤のアムロとシャアのやりとりを思い出しました。
戦闘シーン以外に力を入れる試みは、おおいに評価したいです。単なる販促用の作品になってはいけません。
続いて、いまいちと感じたところ
全体的に説明不足
さりげない描写とかはよく出来ているのに、地球がどんな状況なのかなど、もう少し説明がないと観客は理解できないだろうな~と感じました。長台詞で説明とかは勘弁ですけどね。そのあたりはもう少し工夫してもらわないと、続きを観てもらえなくなるのでは、と少し危惧しています。
画面が暗くてよくわからない
終盤のクスィーとペーネロペーの戦闘は、暗くて何がなんだかわかりませんでした。唐突にアムロの幻影?が出てきたのも謎でした。亡霊なのか、意識体なのか、過去のやりとりを思い出したのか、あの描写はちょっといまいちでした。
まぁ、全体的には良かったです。UCやNTから感じた不快感はなし。「とにかくMSを出せ! 戦闘シーンを出せ!」という方以外にはおすすめできます。
特定のスタッフに依存せずに作品を展開できる間は、ガンダムは安泰そうですね。
次回は骨伝導イヤホンのことでも書いてみます。
ほなほな。