パンツァー・フォー!
突然ですが、ガールズ&パンツァー(以下、ガルパンと略す)を観始めました。
存在はもちろん知ってました。SNSで話題になってましたし、プラモ売場に行けばなかなか強気な値段のキットが売られてました。子供の頃から戦争映画や小説、ドキュメンタリーを観まくってきたり、某ショップでスケールモデル担当をしていた関係でそこそこ詳しいこともあって、「こんな戦車も出るのか!」と心を踊らせつつ、円盤だけ買って放置していました。
私の場合、円盤だけ買って放置するパターンは割とあって、「君の名は」などいろいろ絶賛放置中です。
今まで放置していた理由は、いわゆる「萌えアニメ」があまり好きではないからです。大ヒットした「けいおん!」もずっと避けましたし。
そして。観始めた理由は・・・何となく。(笑)
ここ数ヶ月、仕事漬けで仕事してるか寝てるかの2択だったのが急に余裕ができたのが大きいかも。
今回はTV版とOVAを観た感想を書いていきます。劇場版と最終章はそのうち。
大まかな展開に目新しさはないが・・・
名門校から転向してきた主人公が無名校を高みに導く~という展開自体に目新しさは皆無です。よくあるよね~という感じ。廃校を防ぐために目標に向かうとか、親善試合の敗北をバネにするとかも同様。
ただ、そういう部分は否定されるべきかというと、必ずしもそうではなくて、観る側が理解しやすい、親しみやすいというメリットがあります。要は、それ以外の部分で頑張ればいいだけなのです。
群像劇として秀逸
私が散々批判した宇宙戦艦ヤマト2202みたいに、特定のキャラクター(だいたいは主人公)にスポットが当たりすぎて、バランスが悪くなったり物語が薄っぺらになってしまうケースはよくあります。
ガルパンの場合、大洗女子学園の戦車道チームは結成時5チーム、全部で22人も出てきて、正直、こんなにキャラクターを出して大丈夫なのか?と思いました。ところがどっこい、どのチームもキャラクターも魅力的でしっかり出番もあり、成長も描かれていました。ライバル校も然り。
どのキャラクターも良い!とこれほど感じたのは初めてかもしれません。
ちなみに私はアヒルさんチームが特に大好きです。何気に凄腕すぎる自動車部も、ウサギさんチームも(ry
リアリティとアニメらしさの絶妙なバランス
実弾を使った戦車戦で車内で火災が発生したりするのに、死者も負傷者も出ません。せいぜい煤まみれになるかメガネが壊れる程度。一応、カーボンでコーティングされているとか説明はありますが、割り切ってます。
実際に人が住んでいるエリアでも戦って、旅館が破壊されたりするんですが、家主は悲しむどころか新築できると大喜び。補償にかかる金額は半端ないはずなのに、そこも割り切って作られていて、戦車を使っているのに戦争が持つネガティブな要素から切り離すことに成功しています。
一方で、戦車関連の描写は”一部を除いて”リアルです。「あの車両にあんな動きはできない」とかツッコミどころはあるかもしれませんが、そこは今の技術で補ったと私は捉えました。
この作品は戦闘シーンのカメラワークが秀逸で、戦車の車内からの視点も交えて、臨場感と迫力が堪能できます。映画館で観たらたまらんでしょうね。
小ネタが満載
黒森峰が使うヘリがFa 223だったり、歴史やミリタリー、戦争映画の知識があるとニヤリとしてしまう小ネタがとても多いです。いちいち説明を入れないため、そのあたりに疎くても流して楽しめるのも製作側のセンスの良さとレベルの高さを感じます。
一部のマニアにも受けて、詳しくないファンにも受ける。それが両立できているわけです。セリフの量がまた絶妙で、何でもセリフで済ませないところも良いです。
セリフが無駄に多い作品って嫌いなんですよね。
OVAはTV版で省略されたエピソードだった
OVAはTV版であっさり省略されたアンツィオ戦のエピソードで、決勝戦で他のライバル校が登場したのにアンツィオ高校が現れなかった理由もしっかり描いていました。
TV版のOPにすら登場しなかったので、意外な内容でした。もちろん、良い意味で。
TV版に登場したライバル校はどれも主人公たちより格上なのに対して、アンツィオ高校は主人公たちの学校より貧乏で保有車両も非力過ぎるイタリア戦車。しかし、しっかり”戦車道”をやっていて非常に魅力的でした。(特にカルパッチョ)
まぁ、あれこれ書いてますけど、TV版とOVAを短期間で3周するくらい面白いです。観る度に泣き笑いして、すっかりハマってCDも大人買いしてしまいました。
次は劇場版の感想を書きます。既に3回観ました。(重症)
ほなほな。