Something So Right

大洗在住のSEなおっさんが趣味の楽器いじりや模型製作、万年筆いじり、サイクリングその他について書いています。

「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」の感想(4)

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』後章-STASHA-を観てきました。

 

今の気持ちを正直に書くと・・・

 

もうリメイクはどうでもいいや

 

ですかね。後章は5点満点で1.5点ってな感じでした。

 

何がしたいのかがわからない

スタッフはどこを向いて作品を作っているのでしょうか。旧作を知らない、ヤマトを知らない人がこれを観て楽しめるのでしょうか? グッズを買い漁り、劇場に何度も足を運び、ファンクラブに入ってお布施をするような信者みたいなファンだけを見ていては、先細りするだけなのでは?

 

前章で「ヤマト!! 新たなる旅立ち」を使ったように、後章ではIIIのエンディングテーマだった「別離」が使われました。2199で「真っ赤なスカーフ」が艦内ラジオで流れたという描写ならともかく、古い音源を劇中歌で流されても、違和感を感じるんですよね。それこそ、旧作を知る人しか喜ばない。

 

前作の2202がヤマトファン以外からは評価されるような「チャレンジ精神」にあふれた作品というよりは、無駄に尖った船頭達のエゴがぶつかりあった闇鍋みたいなものになって、今度は「チャレンジ精神」が欠片も感じられない(大まかな展開は変わらない)上辺だけヤマトっぽい作品になって、作り手のプロとしての矜持やプライドが感じられないんですよね。

 

ファンの方も「批判はやめよう!」みたいな誹謗と批判の区別もつかないような類が少なからずいますから、一部の人からしか見向きされないという部分でも旧シリーズを踏襲していくのでしょう。

 

私はそれほど暇ではないので、同じ船には乗りませんがね。

 

今までヤマトは劇場に行き、さらにDVDやBlue-rayや配信版を買ってきました。2202も同様です。しかし、2205に関しては円盤や配信版を買う気は起きません。無料になっても観ないでしょう。

 

というわけで、記憶を辿って良かった部分といまいちだった部分を書いていきます。リメイク関連の投稿は、今回が最後となります。

 

デスラーが主役だった

宇宙服無しで甲板に出てきたり、民を守るとか言ってたくせにクルーを巻き添えにして特攻しようとしたり、トホホな場面もありますが、デスラーが主役でした。印象的なセリフもいくつかありましたし、デスラーの描写は良かったのではないでしょうか。

ヤマトの航空隊との共闘も胸熱でした。・・・魅せ方はド下手ですが。

 

ヒュウガとアスカが沈まなかった

ヤマトも含めてノーダメージでヤマトらしくはなかったものの、それなりに活躍してました。アスカの特徴というか個性は相変わらず説明なしでしたが。2202以降、波動エネルギー関連がガンダムUCサイコフレームみたいになったのは福井晴敏氏の悪い癖でしょう。合掌。

 

魅せ方と見せ方が下手

ゴルバの登場とか、ヤマトの航空隊がデスラー戦法を使うとか、あっさり描かれすぎでデーダーの全裸とか古代の全裸とか昆虫採集とかに無駄に時間を割いていることもあってバランスが非常に悪いです。

土門と藪の交流を前章で描いた割にあっさり藪は移民船で去って(任務はどうした?)いきますし、「別離」を使う割に「別れ」の描写は上手くないなと。入院食並みの薄っぺらさです。

戦闘シーンはドッグファイトの描写は見られるレベルでした。が、敵との距離関係や位置関係がめちゃくちゃで、上空から下に向けてデスラー砲を撃ったり、大気圏内と大気圏外をほいほい移動できたり、全体的に重量感はないですね。

 

イスカンダルの真実(笑)

波動砲で他の星や文明を破壊して、記憶庫に保管(再生可能)して満足し、ついには自らも記憶庫に保管していたのがイスカンダルなんだそうで。ガミラス星はコスモリバースでガルマン星のコピーを無理やり作ったから寿命があるんだとか。

確か前作ではガミラス人の寿命には太陽が影響してるとか言ってた記憶があるんですけど、そこはどうなったんでしょうか。(笑)

スターシャは好きな時にエレメントに肉体を与えて物質化?することができて、ユリーシャは何と地球に送るためだけに作られた存在なんだとか。(笑) 火星で亡くなったサーシャはいつでも再生可能だったけど古代守の影響で再生はやめてた・・・などなど、福井節が悪い意味で噴出してました。

肉体を持つ割に記憶庫が消えると肉体も消える(何故かすぐには消えない)とか、ファンタジーというかオカルトな描写も相変わらずで、自分が福井晴敏氏のセンスとはまったく合わないことを再認識しました。

 

他人どころか自分の命を奪っても記憶化すればOKって価値観の文明が、何で墓標を立てるんですかね?

 

ついでに、2199のガミラスって星間国家、つまり複数の惑星を持ってるんですよ。2202でも何とか断層を借りる代わりにって地球に資源惑星を渡したとか言ってたじゃん。母星が消えたからってなんで総人口の7割を失うんですか。たとえるなら、日本人が東京にしかいないってことですよ。

 

ほんとに、スタッフ選びは考えてほしい。。。。。。

相変わらずなご都合主義

ある程度は仕方ないにしても、デスラーがゴルバに突っ込んでから茶番劇が始まったり、アスカのバリアミサイルが間に合わない!→何故かヤマトとヒュウガとデウスーラが大気圏突入してゴルバのビームをブロック!とか、笑ってしまいました。ミサイルより速いのかよw

 

 

 

他にも気になった部分はいろいろありますが、きりが無いのでやめておきます。どうせ今後も似たようなことの繰り返しになるでしょうし。

 

結局、2202に怒った旧作ファンの一部を宥めただけでしたね。旧作は短い時間できっちり物語を作っていたのに。2205はキーマンが土門に変わっただけで、ストーリー作りの下手さは相変わらずで残念でした。

 

リアル志向な作品がヒットして以降、笑いのネタと化していたヤマトが2199で、現代に通じるSF作品として、大人の鑑賞に耐える作品として生まれ変わろうとしたとき、どれだけ嬉しかったか。ラストで地球が青い美しい姿を取り戻す場面にどれだけ感動したか。

 

すべて、2202以降のスタッフがぶち壊してくれました。

 

古代の裸が~とか騒ぐレベルの人達、ヤマトが出て波動砲を撃てば満足するレベルの人達を相手に旧作の焼き直しを続けていけばいいよ。

 

旧作はAmazon Primeでは観られないわ、プラモも新作は発売されずに旧作も再販されず、ヤマトは不遇ですなぁ。

 

ほなほな。