歯医者に行く用事や客が対面での会議を要求してきたこともあって、東京に戻ってきています。次の木曜あたりに大洗に帰還する予定です。
昨日はシンウルトラマンを観てきました。
ウルトラマン・・・いや、ウルトラシリーズはウルトラQから80まで観てきていて、ザ☆ウルトラマンも記憶にあります。それ以外は知りません。たぶん観ることもないと思います。
個人的に好きなのはウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウです。熱烈なファンというわけではありません。たぶん。
最近の邦画への失望、ウルトラマンへの思い入れのなさ、シン・ゴジラがいまいち好みではなかったこともあって、シンウルトラマンには正直、期待してませんでした。
実際に観てみた感想は・・・
すげぇ良かった。
リブートのお手本みたいな作品だと思います。
ストーリーはウルトラQと初代を合わせたような感じで、ウルトラQの部分はすぐ終わります。怪獣ならぬ禍威獣が何故か日本にだけ出現して、科特隊ならぬ禍特対を設立して人間の力だけで何体か倒した後からが本編になります。
ネロンガとの戦いでウルトラマンが初登場して、到着時の衝撃で主人公が死亡、自己犠牲に興味を持ったウルトラマンが主人公と一体化して~ってな感じ。旧作では不注意でハヤタを死なせた罪の意識から一体化してましたが、シンウルトラマンのアレンジは秀逸です。宇宙人であるウルトラマンにとって未知の生物である人類への理解度や人類の価値といった部分に、よりリアリティが感じられます。
ストーリーは旧作の18話のザラブ星人と偽ウルトラマンのエピソード、33話のメフィラス星人のエピソードをアレンジしてつなげた形で進みます。旧作へのリスペクトと理解度が深く、アレンジも巧みでただただ感心したというか、楽しみました。
メフィラス星人は黒幕的な存在で、禍威獣は放置されていた生体兵器でした。ウルトラマンも使っているベーターシステムを使えば強力な兵器になれる人類を独占するために、ザラブ星人にSNSを使ってウルトラマンの正体をばらさせたり、人類が宇宙人には従うしかないと自発的に思い込むようにするという流れは上手いな~と感じました。旧作では子供を篭絡できずにウルトラマント戦うという流れが、今作ではザラブ星人の件もあって政府をあっさり篭絡できて、文明へ干渉させないために禍特対とウルトラマンが共闘してベーターシステムを奪うという流れになったのも秀逸です。
旧作であった「お前は宇宙人なのか、人間なのか」という問い掛けがあったり、長澤まさみが巨大化したりと、旧作を知る人がニヤリとする描写もちりばめられてましたね。
メフィラス星人との戦いは、ゾフィーならぬゾーフィが現れたことで中断し、旧作同様、ゼットンとの戦いが始まります。
今作のゼットンは兵器で、当時、ゾフィーとゼットン星人がごっちゃになっていたことがこれまた上手くアレンジされています。ゼットンのデザインはかなり変わっているものの、「確かにこれはゼットンだ」と思わせて、それ以上にそれまでの敵とはレベルが違いすぎる絶望感を感じさせました。某アニメで都市帝国が変なコウモリみたいなデザインになったのとは大違いです。
ウルトラマンはゼットンに完敗して昏倒し、人類は滅亡を受け入れかけますが、ウルトラマンから渡されたベーターシステムのデータを元に世界中の科学者がゼットンを倒す方法を思いつきます。そして、二度目の戦いでウルトラマンは勝利。旧作と異なり、人類との共闘でゼットンを倒すという流れは熱かった。世界が一つになる描写がもう少しあれば最高でしたね。
ゼットンと共に異次元に飛ばされたウルトラマンはゾーフィに救われ、光の星へ連れていこうとするゾーフィにウルトラマンは自分の命を主人公に与えることを望みます。ここで例のセリフが出てくるわけですね。
ゾーフィの力でウルトラマンと主人公は分離し、主人公が目を覚ましたところで終了。
たぶんウルトラマンには変身できず、でも周りはウルトラマンとみなして~と相当厄介な状況な気がしますが、まぁ、良い終わり方ですね。続編は作られるのか、もしくはシンセブンが作られるのか、それはこれからのお楽しみ?
BGMは旧作のものがアレンジして使われ、メフィラスとウルトラマンが居酒屋で話し合うなどセブンにあったシュールさが堪能でき、今の技術で「空想特撮映画」をちゃんと作るとこうなるんだな~といった印象です。懐かしいのに古臭さを感じさせず、大人でも子供でも楽しめる娯楽作品という意味でシン・ゴジラより優れていると思います。現代社会への批判とかはどうでもいいです。「空想と浪漫。そして、友情」それだけで十分です。はい。
100点満点で93点ってなところですかね。間違いなく、円盤は買うでしょう。フィギュアも買うかも。それくらい良いと思いました。
ほなほな。