他の投稿でけっこう厳しい評価を下したhelicoの万年筆の再レビューです。
これは神戸のペンショーで売られていたシュクルをアイドロッパー化した試作品です。
見た目は普通のシュクルと同じです。
ペン先はhelicoのロゴとマーク入りです。
ペン先の裏側。
ペン先はネジ式で回すと外れます。プラチナのセンチュリーは簡単に引っこ抜けて不安になりますが、これは工作精度が高く、ガタつくこともなくきっちり締まります。
ペン先を固定するネジ部分、半透明のパーツはインク漏れを防ぐためのものでしょうか。
たぶん、ペン先の方から穴を開けて、後ろからインクを通すために細い穴を開けているのでしょう。難点としては、インクの量がたくさん入らないこと。個人的にはもう少しインクが入ると嬉しいのですが、キャップを接続する部分を別パーツ化でもしないと難しいでしょうね。そうすると選べる柄も限られてくるでしょうし。
インクタンク部分が同じ太さだとわかる画像。軸の中もしっかり磨いているからこそ、この透明感が出ます。手間かけてますね。
インクを補充する部分につけるネジとレンチ。ネジは2つついてきました。製品化されるときはどんな姿になるのか楽しみです。
上のネジを挿す部分。ここもインクで汚れます。仲間のはここからインクが漏れるのだとか。私はシリコングリスの使用を勧めましたが、他の手もあるじゃないかと思いついて改造をすることにしました。
使うのはこれです。歯科医が開発したBONDICという液体プラスチック接着剤です。
中身。黒い部分に接着剤が入っています。
接着剤にUVライトを数秒照射するとガチガチに固まります。
スイッチを入れると青く光ります。ちょっと使いづらいのとバッテリーがへたるので代替品がほしいところです。
まず、ネジに接着剤を塗ります。先端はインクを通す穴に触れますから、画像みたいな感じで塗りましょう。ネジを締めるときに接着剤はいきわたりますから、均等に塗る必要がありません。多分。
手順はこんな感じ。
- ネジに接着剤を塗る。
- ゆっくりネジを締めて、ゆっくりネジを外す。
→慎重に作業をして、外したネジは何かに触れないようにしましょう。 - ネジ穴にUVライトを照射して接着剤を硬化させる。
- ネジにUVライトを照射して接着剤を硬化させる。
- 硬化したことを確認してからネジを締める。
作業後。接着剤を塗った感じはしない・・・はず。
作業後は明らかにタイトに締まるようになりました。何度かに分けて作業をすれば完璧でしょう。これでインクが滲んだり漏れたりすることはなくなります。
普通の瞬間接着剤では白化しますが、BONDICは透明なままです。私はギターの傷の補修や模型製作でもBONDICを愛用しています。クラックが入った万年筆の修理にも非常に有効です。
helicoさんに期待したいのは
- 公式サイトの開設。
→みんながみんなSNSをやってるわけじゃないので。 - オーダーしやすいようにどんな製品があるのか一覧化してほしい。
- 材料に関しては一覧化は不要。
→対面販売が基本でOK。それを売りにすべき。 - 保証に関わる部分の説明がほしい。
→永久保証なのかとか修理するときのフローがわからないのが痛い。 - ペン先の調整技術の向上
→これはペリカンなどにも言えること。万年筆業界全体の問題かも。 - ブランク材の自作。
→桜の花が入ってるとか日本人ならではのものを作ってほしい。
少し値下げしてほしいな~とも思ってましたけど、中まで磨いていることや首軸のネジの精度、特に首軸部分の削る手間を考えたら、値下げは求められない・・・けれど、10万超えとかは手が出ません。(笑) 調整技術や保証の部分が改善されないと。
まぁ、何だかんだで期待はしています。
ほなほな。