Gibsonが破産しましたね。最近強気な値上げを敢行したFenderの社長も辛辣なコメントを出していましたが。
いきなり脱線して、寿司の話をしましょう。私の父は寿司屋を営んでいます。寿司職人として70年近く働いています。
私も以前はよく築地に行って仕入れの手伝いをしました。ある日、ある魚をある寿司屋と半分ずつ買ったんですが、嫌そうな顔をしていたんです。後日、その寿司屋のメニューを見てみたら、一人前なんと15000円。うちは2500円です。先方はどうか知りませんが、うちは米は農家から直接買い、ワサビも本わさびのみ使います。わざわざ海外や沖縄から食べに来るお客さんもいますから、父の寿司は不味いとは言えません。
なんで同じ魚を使っているのに6倍も差がつくのか。結局、それは家賃とか人件費とかなんですよ。たぶん、味に差はないどころか父の方が勝っている可能性もあります。父はシャリをジャーになんか入れませんし。
さて、Gibsonに話を戻しますが、私はGibsonが嫌いです。Fenderと並ぶ老舗である事実は認めますが・・・
- 値段の割にギターの品質がいまいちというかばらつきが激しい。
- ビニールみたいな塗膜が気持ち悪い。
- 商品展開にセンスがない。(自動チューナー搭載とか金属製ナット搭載とか)
- 希少材でごまかしているように感じられる。(これは他も同じ)
- アジアで作ってるのにMade In USA。(Gretschもそうだった)
- マホガニーと表記された木材が怪しい。(他も一緒)
- SteinbergerもKramerも買収されて良さが消え失せた。
- 紙を樹脂で固めた指板とか採用する神経が嫌だ。
最初にあれ?と思ったのはVixenとか出した頃でした。LAメタルブームの頃にもM3とか出して大失敗してましたっけ。それでもやはりGibsonのロゴには憧れるものがあり、何本か買いました。他の人が買った高価なギターを目にする機会もあったりしました。そして、コスパの悪さに悶絶しました。
80万近い某ギタリストのシグネーチャーモデルのネジが斜めになってるとか、シンナーがかかっただけで木地が露出したとか、同じ規格のはずのパーツがつかないとか。
個人的に、楽器のハンドメイドに価値を見いだせないんですよ。KieselとかCortとかSAITO GuitarsみたいにCNCルーターを使った方が圧倒的に速く正確に同じものを大量に作れるんですから。機械を操作する人種の違いが音色に影響を与えるはずがありません。使われる木材がシーズニングされているかどうかという問題はあると思いますけどね。
※エフェクターのハンドメイドは別です。
高い製品がなぜ高いのかを考えると、値段の差ほど音色や使い勝手に差はないんじゃないかと私は考えます。Fender JapanがMexico並みの価格帯になって、SquierがFender Japanの価格帯になったとき、中身は変わってませんから。
20万以下の楽器は調整がされていないことが多いですが、それは調整をすればいいだけ。ギターを買って調整しない人が多すぎるのも問題です。ピックアップの交換とかする前にまずは調整をすべきです。そういや、ATLANSIAですら調整がめちゃくちゃだったなぁ。。。。(前の持ち主がめちゃくちゃにしたのか!?)
なんでこんなことをいきなりネタにしたのかというと、某エフェクターブランドの中の人が新作の動画をアップしたときに、Fender Japanを使って「安ギターでもこの音」と書いたのが妙にひっかかったからです。
強気過ぎる値上げの件はあれとして、Fender Japanは楽器としてのトータルバランスを考えて製品展開しているんですよ。何でもDuncanを載せるとことは違います。Texas Specialを載せるギターはちゃんと選んでます。
10万オーバーのギターを安物と呼ぶのも正直神経を疑いますが、それを愛用している人の気持ちをなぜ考えられないのか?と残念に思います。10万ですよ? そんなにポンポン買えますか? 中学生とか高校生で頑張ってバイトしてFender Japanを買った・・・なんてことは普通にあるでしょうに。”○○円台のギターを使いました”みたいな表現になぜできないのか。
で、ハイエンドギターは本当に品質がハイエンドかどうかなんて怪しいわけです。Ovation USAとかFender Custom Shopとか何十万もするのに粗悪品も店頭に並んでるじゃないですか。個人工房の作品? あれはもはや嗜好品でしょう。金持ちが道楽で買うものと言っていい。
アメリカ人なんて平気でEpiphoneもSquierも使いますからね。プロでも使ってる人はたくさんいます。買値で上下関係を作ったり差別をするのは日本独自のメンタリティーなんでしょうかね。やれやれですわ。
私ごときが偉そうに書くのはなんですけど、音楽は耳とか心で感じるものなんですから、ロゴとか木目とか値段とか有名人の名前なんかに目をとらわれずに、本質を見抜く努力をしてほしいなと。
ほなほな。