楽器の交換で一番身近なのはペグの交換かピックアップの交換でしょう。今回はピックアップの交換について自分の経験を踏まえてあれこれ書いてみます。自力でやったり業者に頼んだりするときに何らかの参考になれば幸いです。
Fスペース? トレムバッカー?
ポールピースの真上に弦がなくても特に問題はないのですが、気になる人は気になるようです。DimarzioやSeymour Duncanは同じ製品でもサイズが異なるものを出しています。FスペースやトレムバッカーはブリッジがTune O Matic(Les Paulとかについてるやつ)でない場合に選びます。MustangやJazz Masterにハムバッカーを乗せる場合はブリッジ次第になります。Tune O Maticをつけるならノーマル、それ以外ならFスペースかトレムバッカーを選ぶのが無難でしょう。
ノーマルとされるものはポールピースの感覚が9.7mmで、Fスペースとトレムバッカーは10.2mmになります。なお、トレムバッカーはピックアップ自体の横幅がやや広いです。
高さに注意
EMGのようにピックアップの下にコネクターがついたり、スタックタイプのシングルコイルは通常より高さがあります。ハムバッカーでもFreedomの製品のように高さがあるものがあります。高さがあると、ボディ側のザグリの深さが足りず、掘らなければ入らないことがあります。
ちなみに自分で楽器を組むときは気が変わったときのことを考えて、どれも深めに掘っています。業者に頼むと1箇所につき5,000円くらいかかるので、EMGに交換したい方とかはそこも考慮しておいたほうがいいです。
サイズに注意
EMGやBartoliniなど樹脂で固めたタイプのピックアップは横から見ると台形になっていたりします。ギターで特に不都合を感じたことはありませんが、ベースの場合はボディ側のザグリがピックアップの形になっているので、たま〜にフィットしないことがあります。最近仕上げたフレットレスはピックガードで隠せることもあり、ネック側は広めにザグリました。
サイズと言えば、7弦ギターのピックアップはボディやエスカッションに固定するネジの位置がバラバラで大変だったりします。形もバラバラですしね。ピックアップを交換するときはギター持参で店に行ったほうが安心でしょう。
配線周り
ハムバッカーはコイルタップとかパラレルとかいろいろ楽しめます。だがしかしで、モノによってはがっかりすることになります。たとえばDimarzioのデュアルレゾナンス・テクノロジーが採用された製品はコイルのターン数を変えてあるので、コイルタップをするときはどちらを活かすのかで音量などが変わります。タップしたらえらく音が小さくなった〜なんてことも起こりえます。パラレルにする意味もありません。
そもそも、シングルコイルの音が欲しいからコイルタップ〜というのは、コイルのターン数がシングルコイルとハムバッカーでは下手すると倍違いますから、個人的にはあまりおすすめしません。
市販のCD付きの書籍に思うこと
昔、知人に「こういうものがあるのに何故教えてくれない」と叱られたことがあります。別に隠していたわけではなく、参考にならないから教えませんでした。
- ギター
- 演奏スタイル
- 弦
- アンプ
- シールド
- 録音環境
- 再生環境
これだけ音が変わる要素があるわけです。盲信してはいけません。だいたい、ミュージシャンと同じ機材を使っても同じ音にはならないじゃないですか。
ピックアップに限らず、ギター本体にせよ、ベース本体にせよ、エフェクターにせよ、アンプにせよ、自分で試行錯誤して自分なりの答えなり嗜好なり志向を模索していくのが正解でしょう。
私が書いているものも含めて、絶対的なものだと考えないことが非常に大事です。シングルコイルには250kのポットを使うとか、コンデンサーは何がいいとか、決まりごとはありません。好きにすればいいんです。
コンデンサーといえば、数十セントの既成品の外装を変えて2個130ドルで売られていたなんてこともありました。1950年代にGibson Les Paulに使われていたコンデンサーの復刻という謳い文句で。おそらく、少なからぬギタリスト達が踊らされたことでしょう。笑い話のネタにできる程度の失敗で済めばいいですけどね。
高価なものが高品質であるというのも、私に言わせれば幻想です。
というわけで、これを読んだ皆さんは情報に踊らされず、己の感覚だけを頼りにしましょう。
ほなほな。