骨伝導イヤホンはまた他の日に。
私はアニメファンではありません。大昔はいろいろ観てましたが、働くようになってからは、よほどのことがないと観ません。けいおんなんか、10年くらい経ってからやっと観たくらいで。アニメ好きな方が話題にする作品はほとんど観てません。
というわけで、Twitterで知り合った方がいつだったか話題にしていた「若女将は小学生!」もスルーしていました。Amazon Primeで何観よっかな~と物色しているときに見つけて、何となく観てみたら・・・
おっさん大号泣
100点満点で100点。
ここまで「良い!」と思えたものは、他に思い当たりませんでした。
まぁ、虐待してるだけとか、過酷過ぎるとか、いろいろ言われてるみたいですけど、震災の二ヶ月後に現地に行って見たものと比べれば軽い方ですわ。現地の臭いは10年過ぎてもまだ頭にこびりついてるし、現地で見たものを思い出すと吐きそうになるし、たまに夢にも出てくるし。
脱線する前に戻りましょう。
あらすじは、小学6年生の”おっこ”が交通事故で両親を亡くして、温泉旅館を営む祖母に引き取られ、祖母の幼馴染だった幽霊のウリ坊との会話(他人には聞こえない)が誤解を生んで旅館の若女将になることになり、旅館に来る客やクラスの同級生との交流で成長していく~といった感じ。
よくありがちな話を、ファンタジーの要素を入れることで既視感やマンネリ感から脱却できています。
旅館に来た時はクモやヤモリにビビって大騒ぎしていたのが、平気で手で触るようになったりと、演出が巧みなんですよ。批判が大好きな私がツッコミができないくらい、全体的に完成度が高いです。
原作?では、途中から舞台が旅館でなくなったり、子鬼の鈴鬼が中心になったり、魔界に行ったりするようですが、映画は旅館が舞台のままで、まぁ、その方が良いと思います。魔界まで行ってたら褒めません。北斗の拳やドラゴンボールみたいな無理やりな引き伸ばしみたいに感じてしまいます。
物語のハイライトは、旅館に来た家族連れの客の父親が、自分の両親を殺してしまった運転手と知った場面。旅館に来てから築いた人々との縁が主人公を立ち直らせ、罪悪感から他の旅館に移ろうとする家族に春の屋旅館の若おかみであること、"花の湯温泉のお湯は誰も拒まない"ことを伝えて留める場面で涙腺が崩壊しました。子供の成長に感動する親の気分がわかったというか。
エンディングは心がスッキリする内容で、ここまでカタルシスを感じる映画は久々だなと感じました。変に含みなどを持たせずに完結させるのって大事ですよ。脚本、構成、演出、声優陣の仕事、どれもが高レベル。素晴らしい。
調べたところ、公開直後は興行成績が低かったのが、ネット上での評判が高く、結果的に予想の3倍の興行収入になったんだとか。もし、上映時に知っていたら何度か観に行ったでしょう。
色気やら萌えやら戦闘やらではなく、物語だけで勝負する作品が、もっと評価されるようになると良いなと思います。はい。
円盤は、Blu-ray コレクターズ・エディションを買わせていただきます。
アニメには興味がない、という方にも観ていただきたい。ホームドラマが好きな方には特に。
批判しないでいられるって良いですね~。
ほなほな。